私たちは政府によってお金が作られていると信じています。紙幣は、造幣局で作られていますが実際には世の中に出回っているお金と出回っていないお金が存在していて、出回っていないお金が多くを占めています。

1. お金の仕組み

お金は一般的に、価値の保存、交換の手段、価値の尺度としての機能を持っています。現代の多くの国では、法定通貨が主に使われています。

では、誰がお金を発行しているのでしょうか。それは民間の会社である中央銀行がそれを担っています。アメリカではFRBまたはFED(連邦準備制度理事会)が通貨発行権を持っており、日本では日本銀行がそれを担っています。

第13代FRB議長のアラン・グリーンスパンは、こう発言しています。

– 連邦準備制度理事会は独立機関ですので、基本的に我々が行う措置を覆すことが出来る政府機関というのは存在しないのです –

民間の会社が政府や法律の上に存在しているという不思議な社会構造の中で私たちは暮らしています。

私たちは預金者によって預けられたお金を銀行は貸し出していると思っています。預金を貸してはいるのですが、多くのお金は借り手(ローンや融資)が約束している返済からお金を作っているのです。私たちは、返済額と利息を支払う義務があり、返済出来なければ家や車などの資産、借りる所によってはその人の命を失う誓約をさせられています。

2. 無から金を創造する方法

現代の銀行制度では、「デジタルマネー」の生成が行われています。

• 信用創造: 銀行は預金を受け入れ、その一部を準備金（法定準備）として保有し、残りを貸し出すことができます。この過程で、新たな貸出は新たな預金を生み出し、経済全体におけるマネー供給が増加します。つまり、銀行が貸し出すことで、新たに「お金」が創造されます。信用とは、個人や企業が他者から受け取ることができる信頼のことで、これに基づいて資金を借りたり、取引をしたりすることができます。クレジットは、この信用を基盤にした金融システムの一部で、特に銀行や金融機関が貸し出しを行う際に重要です。
• レバレッジ: 銀行は預金をもとに、多方面に貸出しができるため、実質的に元手の何倍ものお金を創造することが可能です。このシステムは「レバレッジ」と呼ばれます。

金本位制の昔の時代は、金庫に保管されているゴールドを元に貸し出しを行なっていました。

17世紀・イギリスのゴールドスミスという元金細工職人の銀行家のお話です。

ある日、預金者の多くが多額のゴールド(金貨)を一度に引き出すことはないと知ったゴールドスミスはゴールドの預り証(受領証)に決済機能を与えて、それをあたかもお金そのものであるかのように流通させていきました。それが現在の紙幣に繋がります。

この紙のお金は重いコインを持ち運ぶより便利ですぐに広まりました。そして、金利をつけて貸し出しを始めました。その後、ゴールドの保管庫で稼いだお金と預金者たちのお金を担保(元手)に紙幣を貸すことが出来るのではないかと思いつきました。

利息をつけて貸し出しているのでローンが返済されている限り、預金者は何も気づかないと彼は考えました。彼は街で誰よりもリッチになっていたので、街の住人は預金者の金を使い込んでいるのではないかと疑いを持つようになり、少数の預金者たちは彼の所に行き金利で儲けた分け前を支払うように要求しました。彼とその少数の預金者たちが銀行家の始まりとなります。銀行家は低い利息を預金者に払い、高い利子をつけて人々に貸し出しました。その差額が銀行の利益となっていきました。

さらにゴールドスミスは考えました。

誰も金庫にあるゴールドの保管量を見ないことと、紙幣が便利で流通しているので紙幣の持ち主が元のゴールドを引き出すことはないからゴールドの保管量より紙幣を刷ってもバレないと。こうして、ありもしない金の金利によって莫大な富を築くことになったのです。

ゴールドスミスが恐れていることは一つ。預金者たちが一度に大量のゴールドを返せと言われた場合です。ゴールドの保管量より流通している紙幣の方が多いからです。

これが、現在の銀行も恐れている銀行の取り付け騒ぎです。

現在は、ゴールドの保管量ではなく信用(クレジット)によって紙幣を発行していますが、実際に銀行にある資産は預金されている金額よりも少ないのです。

多くの人が同時に全額のお金を引き出したら、銀行は破綻します。一度にたくさんの取り付け騒ぎが起きない限り、銀行は運営出来るのです。

現在は、ローンや融資を借りる際、金や銀を担保にお金を借りる訳ではありません。コンピューター画面に○○○万円と入力するだけで、実際には何も動いていないのに、全く存在しない電子上とただの紙切れのお金に利息を払っているのです。

銀行は借りる人がいればいる程、ほぼ無限にお金を無から創造できるのです。

アメリカの車会社フォードの創業者 ヘンリー・フォードはこう言っています。

– 国民が銀行制度、通貨制度のことを理解していないのは良いことだ。もし理解しているなら、きっと明日の朝までに革命が起こるはずだから –

ゴールド・スミスの家系を辿ると、フェニキア→ベネチア→ドイツ・フランクフルト→イギリス→アメリカまで遡ることができます。

ドイツではゴールド・シュミットと呼ばれていて、その家系は現在では、ロスチャイルド家と呼ばれています。

聖書では、ユダヤ人同士は無利子でユダヤ人以外に貸す時は利子をつけても良いとの記述があります。